274『水中の哲学者たち』/永井玲衣/晶文社/1,760円(税込)外部リンク 
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子どものころ、『ソフィーの世界』を読んで哲学って面白いと思った。
生きていること、時間、心の存在などに「なんで?」って考えることが学問だと知って面白いと思ったのだった。

ハイデガー『存在と時間』の紹介がとりわけ気に入って岩波文庫を買ったけれど、ちっとも読めないまま大人になった。哲学書はむずかしすぎる!
難解な哲学書を紐解こうとする日はこれからも来ないと思う。そんな時間はないし、他に読みたい本がありすぎる。
様々な哲学論を知らないと哲学はできないんだとなんとなく思ってしまっていたけれど、この本を読んで「ちがう!」と確信がもてた。
「は?」(脅威)「マジで?」(懐疑)「つらっ」(喪失)、
哲学はここから始まるらしい。
哲学対話、すごくしてみたいし、人と話したり、本を読んだり、生きているだけでわりと一人でもしている気がする。
わかんなーいって思いながら、「なんで?」の海に深く潜る、生きている意味みたいなのを考えるのは楽しい。

 永井さんのように他者の哲学を聞き続け、他者の「なんで?」を受け止め続けるのは面白そうだけどすごくハードなことだと思う。
時にみんなで溺れて大海で立ち泳ぎ、という比喩が出てきたけれど、思考の海で立ち泳ぎをし続けるタフさのある人だと思った。
永井玲衣さん、まだまだ気になる人だ。「なんで?」が心にある、多くの人に出会ってほしい本です。

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