651『フランケンシュタイン』/メアリ・シェリー/新潮社/825円(税込)外部リンク 
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1797年生まれ、詩人に道ならぬ恋をして結婚した19歳女性、第二子誕生後の手遊びで書き始めた小説。
誰もが知っているフランケンシュタインの物語をこんな若い女性が書いたいたなんて!

こんなにも先が気になる牽引力のある強い物語がこんなに昔に書かれてていたなんて!これには驚かされたけれど、華麗な文章も、ちょっと待ってよと思う部分も、著者の生まれた時代や描いた年齢、数奇な人生を思うと自然に受け入れられる。
自然や人の描き方が美しく、登場人物の話し言葉も長い手紙も豊かな感情が伝わってくる。
初読ではもうとにかく先が気になって、それに物語の底に流れ続ける痛いほどの悲しみにも囚われて、
美しい文章を細部まで楽しめなかった。

再読したらまた違った感想を持てるだろうと思う。
人の存在や善悪、「心」についてなど、考えたいことがたくさん生まれ出る小説でもある。
どうあれば人間で、どうならば怪物なのか・・・?

ホラーとしてももちろんだが、もっといろんな意味での怖さがあった。
一読、怪物の後ろ姿が心に棲みついてしまった。怖かった!

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