


強さとナイーブさ。
この相反する要素を持った主人公の島崎を好きにならずにいられないし、彼が送ってきた過酷な運命とこれからに胸が締め付けられるような思いになる。
幼い頃に武装集団に拉致されて戦闘工作員として教育され、数十年後組織から逃れて故郷の日本に帰ってきた島崎が、内面の一部はどこか9歳の子供のまま平和の国の日本で日常を送る。
非情な暴力にさらされてきた彼が暴力について訥々と語るシーンが印象的で彼が大事にしてきたものが垣間見える。
非情な暴力にさらされてきた彼が暴力について訥々と語るシーンが印象的で彼が大事にしてきたものが垣間見える。
戦闘能力であるとか外面的な強さとは別の強さが人を作っているのだということ、人であることの意味が語らずして語られていて、その奥深さとリアリティに感動してしまう(フィクションですが)
読むと島崎の幸せを願わずにいられないが、叶わないのかもしれないのだよ…あーもう、という気持ちである。
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