秋の夜長にじっくり読める、おすすめの本 24冊。有隣堂ではたらくスタッフが選んだ「秋の夜長にじっくり読める本」のブックリストです。
深まる秋、長くなっていく夜を過ごすための一冊が見つかるかもしれません。
※各書籍の紹介文、右端の（文字列）は選書したスタッフのペンネームです。
書店スタッフ、書籍の仕入れ担当者、読書家の外商部門・管理部門スタッフが参加しています。
『アフリカの日々』イサク・ディネセン 横山貞子 ／ 河出書房新社 河出文庫 ／ 1,595円(税込)
ISBN 9784309464770
アフリカで農園を経営していた作者の回想記。遠く離れたデンマークの地でアフリカを思う。
アフリカといえば夏のイメージ。夏を懐かしみつつ秋にじっくり読むのにおすすめです。
思い出はマジカル、文体は超クール。
誰かや何かを失っても、経験が失われるわけではない。作者の強さに心を打たれる１冊です。
（Il Gattopardo）
『愛の夢とか』川上未映子 ／ 講談社 講談社文庫 ／ 660円(税込)
ISBN 9784062933681
読んでみると、熱を持った空気と、その温度が立ちのぼってくるような感触があります。口や鼻から吸い込むようなものではなく、そこにある手触りとして胸に迫り、たちまち包み込んでくれるような、そんな読み味が癖になります。
（小枝ちゃん）
『アンナ・カレーニナ 改版』上 中 下巻レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ 木村浩 ／ 新潮社
［上巻］990円(税込) ／ ISBN 9784102060018
分厚いし人物名は長いし、男性と女性で苗字は変わるしでロシア文学は読みごたえがあります。
この世界になじんでくると離れがたくなります。
作者トルストイは自身の家庭のことは奥様任せで、良妻賢母が理想みたいな男尊女卑的な傾向を持っていたと思うのですが、作品になると不倫したアンナに優しく、フェミニズム的視線になるところが面白いです。
この世界になじんでくると離れがたくなります。
作者トルストイは自身の家庭のことは奥様任せで、良妻賢母が理想みたいな男尊女卑的な傾向を持っていたと思うのですが、作品になると不倫したアンナに優しく、フェミニズム的視線になるところが面白いです。
（Il Gattopardo）
『海に住む少女』ジュール・シュペルヴィエル 永田千奈 ／ 光文社 光文社古典新訳文庫 ／ 572円(税込)
ISBN 9784334751111
海にひとりで住む少女、透明な人間たち、イエスの誕生を喜ぶ牛……。
おとぎ話のようでありながら、生と死、喜びと悲しみの境目が曖昧で、美しく幻想的な世界が描かれています。
大人にこそ読んでいただきたい、深い余韻を残す物語です。
（こい）
『黄金の少年、エメラルドの少女』イーユン・リー 篠森ゆりこ ／ 河出書房新社 河出文庫 ／ 1,210円(税込)
ISBN 9784309464183
現代中国を舞台に、孤独や喪失、渇望を静かに描いた短編集。
すべての作品に愛が描かれているのに、どれも心が痛むほど切ない。とくに心を閉ざした独身女性の追憶を描いた『優しさ』は必読。よくある愛の形はひとつもない、「愛とは何か」を考えさせられる一冊です。
すべての作品に愛が描かれているのに、どれも心が痛むほど切ない。とくに心を閉ざした独身女性の追憶を描いた『優しさ』は必読。よくある愛の形はひとつもない、「愛とは何か」を考えさせられる一冊です。
（こい）
『烏に単は似合わない』阿部智里 ／ 文藝春秋 文春文庫 ／ 858円(税込)
ISBN 9784167901189
八咫烏と呼ばれる一族が済む世界“山内”で、次代の山内の長となる若宮の妃選びを巡るお話と思いきや、東西南北の四家の姫たちの想いや四家の権力争いなど様々な思惑が絡み合う中、ある事件を発端として少しずつ物語の全貌が明らかになる内に、最後はあっと驚く結末があなたを待っています。
ファンタジーをベースにミステリーとしての要素も兼ね備えた読み応え十分のエンタメ小説です。
ファンタジーをベースにミステリーとしての要素も兼ね備えた読み応え十分のエンタメ小説です。
（SF＆ミステリ好き）
『きみのお金は誰のため』田内学 ／ 東洋経済新報社 ／ 1,650円(税込)
ISBN 9784492047354
難しく考えがちなお金の本質をわかりやすく実感できる本です。
中学2年生の優斗の視点ですすむ物語（小説）は、お堅いビジネス書と違ってするする読むことができます。
お金を使うすべての機会で私たちは「選択」をしていて、より良い未来のために毎日の買い物から良い「選択」をしていかなければいけない。
当たり前だけれど見逃している大事なことに気づかされます。
中学2年生の優斗の視点ですすむ物語（小説）は、お堅いビジネス書と違ってするする読むことができます。
お金を使うすべての機会で私たちは「選択」をしていて、より良い未来のために毎日の買い物から良い「選択」をしていかなければいけない。
当たり前だけれど見逃している大事なことに気づかされます。
（Y.O）
『錦繍』宮本輝 ／ 新潮社 新潮文庫 ／ 649円(税込)
ISBN 9784101307022
この本を読んで、蔵王のドッコ沼に行ってしまいました。。
秋の温泉旅行にぴったりの本だと思います。
秋の温泉旅行にぴったりの本だと思います。
（経理前田）
『現代経済学の直観的方法』長沼伸一郎 ／ 講談社 ／ 2,640円(税込)
ISBN 9784065195031
経済について、一度でも「なぜ？」と思ったことのある方は、ぜひ本書を手に取ってほしい。
著者の長沼さんが、専門用語を使わずに、パワフルに、そしてハートフルに語りかけてくれる。
学術的な話や数字の話に苦手意識がある方にこそ響く1冊。
読んだ後には世界が今より少しだけクリアに見えるようになる、かもしれない。
著者の長沼さんが、専門用語を使わずに、パワフルに、そしてハートフルに語りかけてくれる。
学術的な話や数字の話に苦手意識がある方にこそ響く1冊。
読んだ後には世界が今より少しだけクリアに見えるようになる、かもしれない。
（ヒロ）
『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』川上弘美 ／ 講談社 ／ 1,870円(税込)
ISBN 9784065324387
アンとカズ。ほかにもたくさんの人との出会いや、人とその関係の間にあるものが、おぼろげな輪郭で描かれていて、小説の中にいる人のことが、みんな好きになってしまいます。
連作短編になっているので、自分のすきなときに本を閉じて、また思い出したときに読んでみるのが、おすすめの読み方です。
連作短編になっているので、自分のすきなときに本を閉じて、また思い出したときに読んでみるのが、おすすめの読み方です。
読み終わってみると、まだ見つけていない空間へ、どこへでも歩いて行けそうな感じがします。だいすきな小説家です。
（小枝ちゃん）
『さよなら、田中さん』鈴木るりか ／ 小学館 ／ 1,320円(税込)
ISBN 9784093864848
「生きる」ということを、清流のように澄んだ眼差しで見つめた、オジサンには極上の珈琲のように甘く、そして、ちょっぴりほろ苦い本です。
（MO）
『たゆたえども沈まず』原田マハ ／ 幻冬舎 幻冬舎文庫 ／ 825円(税込)
ISBN 9784344429727
主人公以外は全員実在した人物。フィクションなのに、まるで本当に生きているかのように感じられます。
美術の授業でさらっと学んだゴッホも、読後にはなぜか近い存在に。実在した彼らの人生に思いを馳せることでしょう。
秋の夜長に、ゴッホの芸術と人生に触れてみてはいかがでしょうか。
（木）
『テミスの剣』中山七里 ／ 文藝春秋 文春文庫 ／ 847円(税込)
ISBN 9784167908041
ドンデン返しの帝王・中山七里の描くミステリー。
渡瀬刑事の自分の信念と正義を貫く強さに心が揺さぶられます。
（nabeco）
『東京都同情塔』九段理江 ／ 新潮社 ／ 1,870円(税込)
ISBN 9784103555117
「しなければならない」強迫観念のようにそう唱える主人公の牧名沙羅は、自らが建設予定の刑務所にAIが名付けた「シンパシータワートーキョー」の名前に納得できない。
言葉に責任を持たず、知りたいと欲求しないAIに対して、にんげんはその体が倒れるまで、すべての言葉でもって思考し続けなければならない。
SNSの発達した現代において読まなければならない重要な小説のひとつだと思います。
SNSの発達した現代において読まなければならない重要な小説のひとつだと思います。
（小枝ちゃん）
『時砂の王』小川一水 ／ 早川書房 ハヤカワ文庫 ／ 682円(税込)
ISBN 9784150309046
舞台は卑弥呼が治める邪馬台国。
訪れた不可思議な力を持つ一人の使者から明かされたのは、未来で人類を滅ぼした謎の敵が目前に迫っているこの時代が、人類滅亡を阻止する最終防衛線であるという。
絶体絶命の状況の中で始まる人類存亡をかけた戦いを描いた物語はテンポよく進み、先を早く知りたくて一気呵成に読み進めること間違いなし！
絶体絶命の状況の中で始まる人類存亡をかけた戦いを描いた物語はテンポよく進み、先を早く知りたくて一気呵成に読み進めること間違いなし！
タイムトラベルを扱うSF小説として個人的に最高峰の1冊です。
（SF＆ミステリ好き）
『脳を鍛えるには運動しかない！』ジョン・J.レイティー エリック・ヘイガーマン 野中香方子 ／ NHK出版 ／ 2,310円(税込)
ISBN 9784140813539
「読書の秋」と「スポーツの秋」をつなぐ1冊。
運動すると気分がスッキリするという、あの感覚の理由を脳神経科学の観点からこれでもかと解説。
読んでいると身体を動かしたくなること請け合いです。
（ヒロ）
『風神雷神 Jupitter, Aeolus』上 下原田マハ ／ PHP研究所 PHP文芸文庫
［上］990円(税込) ISBN 9784569902555
「日本画家と西洋画家がこんな風につながっていたら素敵だな」と感心してしまう。
発想力に驚きます。
発想力に驚きます。
織田信長が大きなカギを握っていて不思議な感じがしました。
スマホでどんな絵画か検索して読み進めると本当に面白い!!
上下巻本なので秋の夜長、じっくり読んでほしいです。
（「スマホ片手に読書する」にはまった書店員）
『骨を彩る』彩瀬まる ／ 幻冬舎 幻冬舎文庫 ／ 660円(税込) ／ ISBN 9784344425699
2013年の単行本刊行時に読みましたが、10年以上経った今でも「秋」といえば彩瀬まるが『骨を彩る』で表現した、イチョウが舞い降る言葉を失う美しい情景が真っ先に思い浮かびます。
連作短編集を最後まで読み通すことで味わえる、ただ美しいだけの情景ではない、人間の詩情が胸に迫る行間に目頭が熱くなります。
連作短編集を最後まで読み通すことで味わえる、ただ美しいだけの情景ではない、人間の詩情が胸に迫る行間に目頭が熱くなります。
本当に彩瀬まるを読んでほしい。あらためて今回再読してみて「なんて良い小説なんだ…」と自然とつぶやいてしまう。
（広沢）
『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』枡野浩一 ／ 左右社 ／ 2,530円(税込)
ISBN 9784865280999
短歌集であり、しかも、1ページに1首しか載っていないので、その気になれば、あっという間に読めてしまう。
さらに、平易なことばで詠まれているので、するりと読めてしまう。
秋の夜長には短すぎると思われかもしれないが、そうではない。
1首、1首が自分の中にある思い出なのか、トラウマなのかを刺激し、歌を入り口にどこか遠くへ連れていかれる感覚を味わえる。
秋の夜長には短すぎると思われかもしれないが、そうではない。
1首、1首が自分の中にある思い出なのか、トラウマなのかを刺激し、歌を入り口にどこか遠くへ連れていかれる感覚を味わえる。
気が付いたときには朝を迎えているかもしれない。
（ヒロ）
『護られなかった者たちへ』中山七里 ／ 宝島社 宝島社文庫 ／ 858円(税込) ／ ISBN 9784299006332
普段活字を読むのが遅く、分厚い文庫本に慄いておりましたが、文体も読みやすくどんどん読んでしまいました。
ゆうせかで中山七里先生が出演されたのをきっかけに読み始め、福祉の現場や震災後の状況を考えさせられました。
分厚い本に腰が引けてしまう人におすすめです！
（A）
『楽園のカンヴァス』原田マハ ／ 新潮社 新潮文庫 ／ 880円(税込)
ISBN 9784101259611
絵画はわかりませんでしたが、あまりにも話題だったので興味があって読み始めました。
スマホで絵のタイトル、画家を検索しながら「あーこのことを言っているのか」「なるほどそう見るのか」など時間をかけて読み進めました。
スマホを見ながら本を読むなんて初めて!!
スマホで絵のタイトル、画家を検索しながら「あーこのことを言っているのか」「なるほどそう見るのか」など時間をかけて読み進めました。
スマホを見ながら本を読むなんて初めて!!
原田マハさん＆美術館通いにはまった1冊です。
（「スマホ片手に読書する」にはまった書店員）
『夜のピクニック』恩田陸 ／ 新潮社 新潮文庫 ／ 880円(税込)
ISBN 9784101234175
全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事。夜だから言えること、夜だから見えてくるもの。登場人物の細かな描写から青春を全面に感じられます。
現役の学生には共感を呼び、大人には懐かしさを感じさせる、そんな一冊です。
現役の学生には共感を呼び、大人には懐かしさを感じさせる、そんな一冊です。
秋の夜長に読めば、彼女らと一緒に夜のピクニックをしている気分になれること間違いなし。
（木）
『幽玄Ｆ』佐藤究 ／ 河出書房新社 ／ 1,870円(税込)
ISBN 9784309031385
晴れ渡った空は夏よりもどこか遠くに連れて行ってくれるような空色。
そんなセンチメンタリズムな秋にオススメしたいのが佐藤究『幽玄F』です。
飛行機をどこまでも追いかけていた少年の夢は、飛翔し、そして現実と衝突する。
子どものころに抱いていた夢への純粋な希求は大人になるにつれどこに置き忘れてしまうのでしょう。
はかない飛行機雲のようでも、未来と希望をつなぐラストシーンに心の奥底をぎゅっとわしづかみにされます。
はかない飛行機雲のようでも、未来と希望をつなぐラストシーンに心の奥底をぎゅっとわしづかみにされます。
（とおこ）
『和菓子のアン』坂木司 ／ 光文社 光文社文庫 ／ 734円(税込)
ISBN 9784334764845
デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働く梅本杏子（アンちゃん）が、個性的かつ優しい職場のみんなに出会いながら成長していくお話です。
本を片手に和菓子が食べたくなるかも♪
（nabeco）
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Yahoo!ショッピング内「有隣堂ヤフーショッピング店」にて、各書籍をPOP付きでご覧いただけます。
クリスマス絵本
お外が寒くなってきたら、もうすぐクリスマス！
有隣堂各店の店頭で人気の「冬」「クリスマス」にまつわる絵本のリストもご一緒にどうぞ。
絵本はロングセラー作品が多いので、懐かしい一冊に再会できるかもしれません。
