過去の「本の泉」

「カズオ・イシグロ」の記事一覧



『クララとお日さま』「親友」って何だろう。

006『クララとお日さま』/カズオ・イシグロ:著 土屋政雄:訳/早川書房/2,750円(税込)外部リンク 
有隣堂の在庫を探す

クララは人口知能を搭載したAF(人間そっくりのロボット)。
子どもたちの親友になるべく店で売られている。

[ 続きを読む ]



『浮世の画家』 戦後の価値観の変化に揺れる老人の矜持

039『浮世の画家』/カズオ・イシグロ  飛田茂雄:訳/早川書房 ハヤカワepi文庫/740円+税外部リンク 
有隣堂の在庫を探す
カズオ・イシグロの小説を読んでいると、一種独特のもやの中に紛れ込んだ気分がする。
この作品も例外ではない。
[ 続きを読む ]



『忘れられた巨人』 寓話?ファンタジー?それはさておき、まぎれもなく文学

忘れられた巨人『忘れられた巨人』/カズオ・イシグロ/早川書房/1900円+税外部リンク 
有隣堂の在庫を探す
  舞台は現在のイギリス・ブリテン島、時代はアーサー王亡き後の6世紀か7世紀、主人公はブリトン人の老夫婦。鬼や妖精や龍の住む世界。
 というと、自分たちとはかけはなれた、関係のない物語のように思われるかもしれませんが、人間の基本や感情は共通です。

 老夫婦はブリトン人、同族の小さな村で、仲むつまじく暮らしています。
 でも日々の中で時折浮かび上がる疑問符。自分たちは何かを忘れているのではないか。何故忘れてしまうのか。同族の人々も近い過去のことすらすぐに忘れてゆく。息子がいたが、息子といた時の手触りのような記憶はあるのに、顔も声も思い出せない。

 老夫婦はある朝、息子が住んでいると思われる村に旅に出ます。
 途中、島への船を渡す船頭に会い、鬼に襲われて村人からはじきだされた少年に会い、ウィスタンというサクソン人の戦士と少年と同行することになり、雌竜クエリグを討とうとするアーサー王の老いた騎士、ガウェイン卿に出会います。
 老夫婦・アクセルとベアトリスは皆が記憶をなくすのは、霧・・雌龍クエリグの息の故だということを知り、ベアトリスの体のために訪れた修道院で戦闘に巻き込まれて地下道で脱出し、その後少女に頼まれて、毒の草食べた山羊を雌龍の餌場につなぐために山を登ってゆきます。
 そこで戦士ウィスタンと騎士ガウェイン卿に再会し・・・。

 旅の物語であり、冒険譚であり、鬼や龍も登場し、時には血腥い場面のあるのに、とても静謐なものがたりを読んだ印象があります。それは、アクセルとベアトリスのお互いをいたわる会話、老人の足どりからもきているし、ウィスタンやガウェイン卿の折り目正しさの故もあるでしょう。でも、それよりも世界観、この物語の底流には、神話のようなゆるぎないものがある、という感触があり信頼感が持てるためではないかと思います。

 愛と人生の物語。
 手垢のついた言葉ですが、それしか言いようがない。愛と人生の物語。
 味わって読むべきものがたりです。

  東急プラザ戸塚店・MT



カテゴリ
記事検索
文中のリンクについて
記事内の書名リンクから、
本の詳細情報をご覧頂けます。
リンク先…HonyaClub.com
運営…日本出版販売(株)
注文・有隣堂での受取も可能です。ご利用の際はHonyaClubの
ご利用ガイド規約をご一読下さい。
「セッションの有効期間が~」と表示された際は、新しいウィンドウを閉じ、もう一度リンクをクリックしてください。




  有隣堂ロゴ  
株式会社 有隣堂
〒244-8585
横浜市戸塚区品濃町881-16

https://www.yurindo.co.jp/


Copyright © YURINDO All Right Reserved.

採用情報

新卒採用・中途採用、アルバイト募集などの求人情報をご覧いただけます
有隣堂 採用情報