005『偶然の祝福』/小川洋子/KADOKAWA 角川文庫/476円+税外部リンク 
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確実に読んだ本なのに、題名を見ても、作者名を知っても、本の装丁を確認しても、時にはあらすじを読んでさえも、どんな本だったか全く思い出せないことがある。

自分でも呆れるが、長篇でさえそうなのだから、短篇はもう忘れるのが当たり前になりつつある。

そんな中、ふとした瞬間に思い出したり、運よく家の本棚で見つけられれば、再び読み返す短篇もいくつかある。

『偶然の祝福』の中の「キリコさんの失敗」は、私にとってまさにそんな宝物だ。
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