過去の「本の泉」

「小説」の記事一覧



『この夏の星を見る』同じ星を見ることができるという思いが胸に沁みわたる物語

216『この夏の星を見る』/辻村深月/KADOKAWA/2,090円(税込)外部リンク 
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コロナ禍で今までの学校生活が制限されたり変化していく中の中高生たち。
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『街とその不確かな壁』すばらしさをすごく描き切ってくれたような気がして、読み終わってうっとりしている

437『街とその不確かな壁』/村上春樹/新潮社/2,970円(税込)外部リンク 
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『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』は読んだそばから忘れてしまう特別な小説で、ずっとその理由にうまく説明がつけられなかった。

ただ言葉のリズムを楽しみに行っている、私にとって心地よい音楽みたいな小説なんだと思い、繰り返し読んできた。

今回これを読んで、『百年の孤独』や『愛と精霊の家』『ホテル・ニューハンプシャー』を読んだ時も同じ種類の音楽を聴いていたんだと分かった。魔術的なのだ。
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『苦界浄土』 思念を小説という形に変えて差し出してくれたもの

815『苦界浄土』/石牟礼道子/講談社/836円(税込)外部リンク 
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今まで読んだ何にも似ていなかった。
ノンフィクションではないことがまず分かった。
一人の人間に流れ込み、自らも掴み取りにいった景色を、思念を、小説という形に変えて、差し出してくれたもの。

だから景色を、思念を受け取った。
賜物、という言葉が浮かぶ。
本当にはわからないもの、「見た」ものにしかわからないこと、がたくさんある。
自分がいかに何も知らないかを思い、愕然とする。
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『この世の喜びよ』 過去と出会い直し、迷子になってみてください

683『この世の喜びよ』/井戸川射子/講談社/1,650円(税込)外部リンク 
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人は誰も生きない、このように生きたかったというふうには。

どう生きようと、このように生きた、誰だろうと、そうとしか言えないのだ

長田弘さんの詩にそうあって、本当にそうだなあと思った。
帯に「思い出すことは世界と出会い直すこと」とあって、それも本当だなあ、と思った。
過去と出会い直すのはいいことばかりじゃない。
こんなふうに生きてしまった、そんなつもりはなかった、選べなかった、出来なかった、考えなしだった、しかたなかった、、、、
なかった、がいっぱい。
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『光のとこにいてね』友情とも愛とも違う「パズルのピースがはまる」とはまさにこういうこと

光のとこにいてね『光のとこにいてね』/一穂ミチ/文藝春秋/1,980円(税込)外部リンク 
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これは、いわゆる「百合小説」と思って読むと全くの期待外れとなる。
友情とも愛とも違う、「パズルのピースがはまる」とは、まさにこういうことなのだろうな、と思う。
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『君のクイズ』「クイズ=人生」と考えると、タイトルが持つ意味も味わい深い

君のクイズ『君のクイズ』/小川哲/朝日新聞出版/1,540円(税込)外部リンク 
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「クイズとは人生である。」
それは「クイズが生きがい」といった意味合いではなく、文字通り、人生とはクイズの連続で正解かどうかなど分からなくても、解答ボタンを押していかねばならない。
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『求めよ、さらば』自分たちにとっての「普通の家族」を考えさせられる1冊

求めよ、さらば『求めよ、さらば』/奥田亜希子/KADOKAWA/1,760円(税込)外部リンク 
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明るくて美人。
過去の体験から心の底では臆病な妻、志織。
まじめで無口でも優しくて不器用な夫、誠太。
恋をして結婚して夫婦で誰もがうらやむ生活をしてたが志織は普通の夫婦を強く望む。「妊娠」を望む。
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